お腹がすくインド映画「巡り逢わせのお弁当」が知らないこといっぱいで楽しかった話(後半にネタバレ有)

日記

「巡り合わせのお弁当」というインド映画をご存知でしょうか?私はTwitterでおすすめしている人を見かけて、無料トライアル中のU-NEXTに入ってたので早速観てみました。U-NEXT 巡り逢わせのお弁当

そしたらば面白いのは勿論のことですがインドの知らない日常生活が知れてとても楽しい映画でした!映画の感想と初めて知ったダッバーワーラーというシステムの事を書きます。

すごいざっくりあらすじ

妻に先立たれてウン年のサージャンのところのお弁当(弁当屋製)とイラが夫に作ったお弁当(手作り)が、弁当回収及び配達人の誤配送で入れ替わって届いちゃったからついでに弁当箱に手紙入れて文通することにしたラブストーリー。
歌って踊らないタイプのインド映画。

インドのすごい弁当配達システムダッバーワーラー!!

インドでは朝作ったお弁当を持って出社するのではなく、午前中にお弁当の回収の人が家にきて回収して会社のデスクまで届けてくれます。インド最大の都市ムンバイは人口密度がえぐいらしく、郊外から通勤するのが主になり通勤時間が長くてお弁当も冷え切ってしまうらしい(何それ東京と近隣三県やん)。インドの人は宗教上食べれないものがあったりで買い食いは不便な模様。という訳でお家で奥さんがお弁当作って仕事中の夫に届けて貰うサービス、ダッバーワーラーが居るのです。(ざっくり)

このシステムの何がすごいって、物凄い大量のダッバー(だいたい同じようなデザインの重ねるお弁当箱)を伝票もアプリもなく、間違うことなく配達することです。しかも従事してるダッバーワーラーは識字率が低いそうな。文字が読めなくても間違わず大量のお弁当を回収しそれぞれの手元に届けることができるシステム、すごい。そして空のお弁当箱はまた回収されて家まで届けて貰えます。いいなぁ、東京の満員電車もそりゃあえぐいですがインドも大概なので(映画見たらすぐわかる)、かさばるお弁当持って電車乗らなくていいのは楽。

どうやって間違えないようにしてるかというと、ダッバーに印や記号が書かれているのでそれを目印に届ける駅や配達ルートがわかるらしい。ダッバーワーラーは沢山居てお弁当は何人ものルート担当の手を渡ってデスクに届くのです。理論はわかったけどそれで全然間違えないのすごいな。

そして蛇足ですがこの組織、大人数で上層部がいてリーダーがいてその下にヒラがいて、みたいな感じなのですが各グループに常に5人ほどの遊びがあるそうです。休んだり遅刻したり事故にあったりしたときに影響が出ないようにするためだとか。聞いてる?ギリギリで回したいとか言って一人に何でも背負わせてる日本の企業のみなさん。

いやぁ、すごいシステムだ。

めっちゃお腹がへる美味しそうなお弁当

ヒロインのイラが作るお弁当がめっちゃ美味しそうです。私はうっかり深夜にこれを見てしまった為、カレーやらチャパティやら野菜の炒めたっぽいのやらあの細いご飯のやつやら(名前がわからぬ)を見て死ぬほどお腹が空きました。今すぐインド料理屋さんに行きたい深夜3時。一見デミグラスソースに浸かった揚げ団子みたいなのとか何アレまじ美味しそう(パニールというチーズらしい)。インド料理って言ったらカレーかビリヤニくらいしか知りませんでしたが当然ながら他にいっぱい美味しそうなのがあるんですね…。
サージャンが美味しいってびっくりしてるので美味しいんだよ実際。イラはとてもお料理が上手です。そして美人。なのに夫は妻と家庭に興味が無いようです。贅沢過ぎて10人用の土鍋で頭かち割りたいですね。

あとカレーとかスープも入れられるダッバーがすごい。当たり前にインドの民が使ってるお弁当箱すげぇ。

ここからネタバレだよ

※この先はネタバレ感想なので100%楽しみたい人は映画を見てから読んでね。

サージャンが普通に良い人で爪の垢煎じて培養して無差別に他人に射ちたい

サージャンが普通の人、だけどとても良い人。好きになったとはいえ会うことはない文通相手にタバコやめろって言われて本当にやめます?タバコですよ?全国の奥さんが止めろっつっても旦那は吸うの止めないタバコ。サージャン素直。というか、嘘をつかない人なんだね、サージャン。後半また吸ってっけど。

そしていざイラに会おうって日に自分からおじいちゃんのにおいがしてる事に気づいて会うのを止めてしまうところ…。なんて本当の意味で大人なんだ。「俺気持ちが若いから若い子との方が話が合うんだ」とか言ってよくわかってない10歳以上下の子丸め込んで付き合ってる人ゴマンといるでしょう。
そんな人ばっかなのに(勿論ちゃんとした人も沢山いるけど)自分を客観的に見て、感情に流されず普通に年離れすぎだなって判断ができるのがとても大人です。
結局最後はどうなるかわかりませんが、一度は現実的な判断をしているのでサージャンは良い人だ…。

それに付随する話ですが、イラのお父さんが亡くなりイラが駆けつけたときのイラのお母さんのセリフが重いです。「お腹がすいた」「朝から何も食べてない」「夫が死んだらどうしようと毎日不安だったのに」「今はお腹がすいたことしか考えられない」
呆然とお腹がすいたと繰り返すお母さんに、奇しくも度重なる飯テロでお腹がすいていた私は泣きそうになりました。
お母さんにいっぱいご飯食べて欲しい。そしてゆっくり昼寝でもして。
サージャンについていったらイラも同年代の人よりかなり早く介護生活が始まってしまう訳ですね。きついわぁ現実。

さて、それらを踏まえてのラストです。はっきりしないラスト、賛否両論ですね。私はこのまま終わって良かったと思います。二人は会えたのか。会えたとしてイラはサージャンと生きる道を選ぶのか、娘と二人だけでブータンに旅立つのか。イラはもう自分で決められるので、好きな方を選ぶんでしょう。そしてそれを私が知る必要はないのです。イラが好きにしたらいい。ちゃんと選べるのが大事です。クソ旦那捨てる決断ができたイラなら大丈夫さ!

ところでエンディングで流れてる、ダッバーワーラーの皆さんが歌ってるあの歌、なんていうんでしょうか?好きなんでデータで欲しいけどそういう歌じゃなさそう。

電車の中で野菜刻むのってインドでは普通なんだろうか…。

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